8月10日配信プレジデント「就活生にも見放されたメガバンク」を読んで

 「ジャーナリスト」という胡散臭い肩書には、従来から嫌悪感を抱いていたが、この「経済ジャーナリスト」を自称する水月仁史氏の論稿も「お粗末」そのものである。

 なぜなら、新聞あるいは雑誌の記者出身なのか、記事内容があちこちの雑誌の拾い集めか、過去に取材したかもしれない記事の羅列である。そこに「考察」というものが1つも入っていない。

 
 細かく言うと、まず、3メガバンクのリストラ記事は、その収益力の悪化も加え、従来から各雑誌が取り上げていたことで、就活生の人気ランキングも日経新聞社とマイナビの横取りに過ぎない。肝心なのは、就活性の人気が落ちた原因を、メガバンクサイドからと就活生サイド側からアプローチし、そこに「自ら」の評価を加えて論稿することが、「ジャーナリスト」という限りは最低限必要なことだろう、と考える。
 
 もっというと、メガバンクがこのようになった原因を、超低金利、フィンティック、資金需要の減少と分析しているように見えるが、これは従来から言われていること。その先の独自の分析が無いのである。果てには、メガバンクは「身を切るダイエットによって事業モデルを転換し、苦境を乗り切るしかない」とおっしゃる。綺麗ごとを並べているが、じゃあ、どんな事業モデルに転換するのか、それに対して、どう身を切るのか、の提言が全くない。これでは読み手に対する説得力は全くないと言わざるを得ない。
 
 もっとも、「経済ジャーナリスト」は「それでいいのだ」とおっしゃるなら、何をか況やである。
 
 それにしても、現在のメガバンクのトップはやっぱり情けない。小生は、従来からこのトップの「小粒化」を嘆いているものだが、この水月氏の記事によると
・ 三菱UFJの三宅頭取「伝統的な銀行のビジネスモデルは構造不況化している」との危機感表明 
→ 今更何を!構造不況化した元凶は日銀と金融庁だろう。なぜそちらに一言いえる勇気をもたないの?
・ 三井住友の国分社長「顧客の行動変化を踏まえ、リアル店舗を見直す」とデジタル店舗を見据え表明 
→ 馬鹿か!デジタル店舗は時代な流れかもしれないが、本当にそれが顧客ニーズに合致しているのか?、リアル店舗のメリットを検証したのか?を問いたくなる。
・ みずほの坂井社長「基礎的な収益力の強化に課題が残る」 
→ 阿保としか言いようがない。収益力の問題は、従来からの経営の根幹の話で今更、何を寝ぼけたことを言ってどうするの?
このトップ連中の「小粒化」のは惨憺たる思いで、私がブログで訴えていた無力感を感じるのは私だけであろうか!!!