スルガ銀行の不正融資について

 スルガ銀行のシェアーハウスの個人オーナーに対する融資が、個人の預金残の書換えを知っていて融資した、それに何十人も関与した、として組織ぐるみの不正として問題になっている。
 (金融庁まで問題にしているのが問題だが!)
 しかし本件は、融資を担当した個人の問題ではないことをお知らせする。
 (長年、銀行に勤めていた経験からお話をしています)
 本件のスキームは、昔からあるスキームで、バブル時代には普通のスキームであったものである。ただ、今と違うのは、当時は土地の値上がりは確実なもので、いざとなれば担保に取っている土地を売却すれば、全額融資が回収できたことである。
 今は、20年から30年の融資期間中に個人が返済に行き詰っても、担保の土地を売却すれば済むものではなくなっている。では、どうするのか?
 それは、今の「大東建託」方式で、20年から30年、賃貸物件に入居者がいなくても家賃を保証してもらえれば、オーナーの返済が滞ることはない。
 したがって問題は、その「大東建託」が20年から30年保証を続けられる体力があるかどうかなのである。
 (大東建託が、その体力があるといっているわけではない)

 本件において、スルガ銀行は、シェアハウスメーカーと「業務提携」をしているはずであり、そのときのシェアハウスメーカーの体力をどのように判断したのかの問題に尽きる。オーナー個人の預金残高の多い少ないの問題は関係がないのである。預金残高が多かったとしても明日引き出されればそれまでの話だからである。

 以上より、スルガ銀行の各店の融資担当者が、「預金改ざんを知っていて」不正したわけではなく、業務提携時、そのシェアハウスメーカーの体力を見誤った、あるいはそこに融資を伸ばそうとするスルガ銀行の上層部の判断が入ったかの問題なのである。

 くれぐれも、融資担当者の個人を責めないようにお願いしたい。