東洋経済「たった1年で大手銀行を見放した24歳の真意」を読んで

  本論は、立教大学ビジネススクール教授の田中氏が書いたものだが、この内容
 は、表題の意図とは全くかけ離れ、ただ単に、大学から企業に就職するときに、
 自分の考えがなく、ただ、有名だからと就職した若者が、現実との乖離に悩み、
 転職しただけの記事なのではないですか。
  当該若者が、大手銀行を見放したわけではなく、また見放した理由が大手銀行の
 中にあるわけでもない。この若者は本人も述べている通り、かねてから自分がやり
 たいと思っていた会社に転職しただけなのです。

  もう1つこの論文で言いたいことは、ビジネススクールで教える人ともあろう人
 が若者にすり寄ってはいけないと思います。
  それは、大手金融機関における古い体質(筆者はピラミッド型の競争が待つ世界
 という)を、この若者ははっきり見て取ったといいますが、入行して10か月で
 どうしてその金融機関の体質・本質が分かるのだろう。無理やりこじつけている
 のではないですか? 「10か月程度では何もわからない」と叱るべきでなないの
 か、とつい思ってしまうのです。

  小生も同じく大手金融機関に勤めていたが、最初の3か月間は、背広は一切いら
 ない札勘定と硬貨包み、そして預金、為替のバックに6か月間、窓口に6か月間、
 1日の勘定科目を合わせる計算係に1年、そして2年半後に外国為替に出たのです
 が、いまだお取引先とのかかわりはありませんでした。そのころを考えると、右も
 左の全く分からず五里夢中で仕事をしていたのを覚えています。

  あまりにも早く結果を求めすぎているのではないですか! これは自分の将来に
 ビジョンを持っている人いない人に拘わらずです。
  「結果よりもその過程」という言葉を忘れずに!