経団連会長人事について

 このたび経団連の会長に日立製作所の中西氏が就任した。
 この経団連、昔は「財界の総理」として、経済界だけではなく金融政策ひいては政治にも「威」を唱えていたが、現在は見る影もない、と思う。
 何故だろうか?

 この経団連には、いまだに不文律として「会長は製造業が好ましい」という慣習があるらしい。確かに歴代の会長を見ると、新日鉄会長が3人、東芝2人、トヨタ2人をはじめ日産化学、東京電力、キャノン、住友化学東レ、そして今回の日立製作所である。福島第1原発の東電、粉飾事件の東芝が入っているには笑えるが、この流動的で先行き不透明な時代に、いまだに「製造業」でなければ、と言っているのは時代遅れも甚だしい、と感じる。
 これだけの携帯電話およびネットの普及で、ソフト会社が勢いを世界的に増している中で、アイフォンの機器メーカーは所詮下請けに過ぎない時代になっている。「グローバル化」を叫ぶ割には、足元の改革は全く進んでいないように思う。
 現代にあった新しい「血」を入れていく勇気を、経団連も持つ必要があるのだろう。