現代ビジネス8月15日配信「ソーシャルトレーディング業界の危機」を読んで

 「フィンティック」「フィンティック」といってマスコミどころか政府すら持て囃している金融技術の進展が、従来から小生が論破している通り、また、「その限界」が露呈した事件が起こったようだ。
 
 小生は全く知らなかったのだが、ソーシャル・トレーディングという「詐欺」紛いの投資話が横行しており、政府等(財務局、証券取引等監視委員会)が全く機能していないことを露呈し、それどころか政府が「補助金」を騙し取られたことが明らかになった。
 
 ソーシャル・トレーディングとは、ネット上に開示された情報を元に、個人が企業に事業資金を貸付け、高配当(利回り10~12%、高いところは14.5%と、常識ではありえない高配当で、昔の頼母子講とよく似ている)をえる金融システムだそうだ。
 
 大体、この業界自体、2008年に設立した会社が「老舗」と言われ、殆どの会社がここ23年で設立されたものばかりという業界で、集めた金を、ネット上に公開した事業には全く投資していなかった、というから、名前こそ英語紛いのネーミングにしている(どうも最近、なんでもかでも、英語紛いのカタカナを使うのが多すぎる。この傾向は評論家等が顕著であるが、政治家も話し言葉にやたらに入るのが気にかかる)が、昔の豊田事件と全く同様で、新しい「ビジネスモデル」でもなんでもない。詐欺集団が名前を変えただけではないのか?
 
 経験上、事業資金を貸付けるのは結構面倒くさい。当該企業から資料等は当然もらうが、その資料が間違いないものかの検証が必要なのである。そのために事業予定の現場に赴いたり、同様事業の他者にヒアリングに行ったりして証拠を固め、やっと事業資金の融資案件が纏まるのである。当然、その前提としての「当該企業」の「信用」調査は当たり前である。
 それが、ネット上の資料だけで、かつ10%以上の高利回りと聞けば、「疑う」のは常識であるが、人間には「高利回り」という欲に目がくらむ習性があるのか、この手の事件は後を絶たない。政府等も騙されたというのは「お粗末」以外に何物でもないが------
 
 そろそろ「フィンティック」の限界をしり、マスコミも政府も持て囃すのは、そろそろやめようではないか!!!