「銀行の退職金プラン、4割の人が不満」ダイヤモンド8月31日配信

 銀行の手数料稼ぎのために、投信を主体とした「退職金運用プラン」なる商品を、支店長自らがセールスし、うまく「騙されている」という内容である。そのカラクリを詳細に説明し、注意を促している。
 
 銀行の名誉のためにいうが、騙すのではなく、リスクに対する説明を省いているか、説明しても詳しくは言っていないだけである。それも誤解を生じさせる「手口」と言われればその通りである。
 
 現役時代、確かに「投信」等も取扱始め、全銀協の「証券取扱主任者」という試験を経て、その資格を取らされたが、まず「リスク」から説明したものである。預貸金の利ザヤで収益が出た時代でもあるので、それほど積極的ではなかったからかもしれないが、お客様の信頼、信用が失われるのを一番、恐れたためである。
 「信頼・信用」を築くには永年かかるが、それが崩れるのは1日なのである。今は「小粒」の銀行トップの下、なりふり構わず「手数料稼ぎ」の指示が出ているのであろう。嘆かわしい限りである。
 
 ところで、セゾン投信の中野氏について一言。
 「60歳で退職金をもらえば人生が一段落すると思い込んで思考停止する「退職金バカ」がいる」とおっしゃる。とんでもない失礼な言動だ、と思う。
 30~40年働き続け、時には家庭も顧みれなかった時を過ごし、「永続する」という勲章をもって定年退職することは、何と素晴らしいことではないのか? ここで一段落して、来し方行く末をじっくり考えてみることこそ、豊かな一生を過ごす一番必要なことではないのか。
 中野氏こそ「投信バカ」ではないのか、と疑ってしまう。