「不動産投資は罠だらけ」ダイヤモンド9月3日配信

 表題は、スルガ銀行の不正融資の対象と言われたスマートデイズの“かぼちゃの馬車”を題材にし、「罠」を紹介して、投資家はこの仕組みを知り、自己防衛を、と警鐘を鳴らしている。
 
 しかしながら、紹介しているこの「罠」は、本当に「罠」なのだろうか?どうどうも怪しい。1つ1つ検証してみよう。
 
 「元値の倍の値段にまで吊り上げられた物件を買わされた」というが、「元値の倍」というのは「土地」なのか「建物建築費」なのかは不明。どちらにしても、通常は、「土地」の場合は、公示価格、標準地価格、路線価などで調べられるし、「建物」の場合は㎡当たり単価を割り出せば、少なくとも「元値の倍」は通常人でもチェックできる。個人として自宅の他、別の土地建物を買うのであれば、「一生に数度の取引」を鑑みれば、それぐらいはするべきであろう。
 「自室入居率は50%まで下がっていた」というが、普通は入居率がどうなろうと家賃保証がある限り問題にならない。
 「預金通帳や契約書類が改ざんされてオーバーローンを組まされた」というが、個人オーナーが知らないところでなされていれば、その契約は「無効」となり、サブリース契約なり、ローン契約なりは「無効」と成る筈である。前者の場合は損害賠償を得ることができる(土地、建物費用の賠償)し、後者であればローンそのものが成立しない、ということで問題ない。
 
 これを同誌は「ぼったくりの構図」というが「構図」そのものになっていない。

 本件のキーは「家賃保証」契約の内容である。何年間の家賃保証なのか、事情変更の原則はどのようになっているのか、などにより、融資額、融資期間の妥当性が出てくるのである。
 
 以上の通り、本件は不動産投資全般とかサブリースの問題とかではなく、どの業界にもある「詐欺」構図(?)に過ぎないのである。したがって、「旨い話には何かある」ということを肝に銘じ、欲をかかない、と忠告するだけだろう!!