スルガ銀行大研究(1)
その時、不正事件発覚前の週刊誌記事を見つけた。マスコミの「いい加減さ」の極め付けを実感した記事である。
週刊現代2017年9月23日・30日合併号
「給料地銀トップ!スルガ銀行「結果につなげる経営会議」はここが違う。地銀壊滅時代に5期連続最高益更新」
・ 「闊達に議論し、新しいことに挑戦するベンチャーに様な経営-これが地銀壊滅時代に5年連続で過去最高益を叩きだしたスルガ銀行の「強み」だ」
「取締役会ですべての役員がアイデアを出しそれを実行に移そうとします。最終ジャッジは岡野会長ですが、ベンチャー企業の役員会に近く、ざっくばらんに言いたいことが言える」 同氏の言
「オーナー企業にありがちなワンマン経営ではない。会長室では何時も立って仕事をし、部屋のドアは開いて、社員が頻繁に出入りし会長と話している。ここで即断即決の決済を下している」
・ 経営コンサルタント加谷氏の言
「銀行の収益力は利ザヤ。そこで法人融資を減らし個人向けに拡大。一般の銀行では融資を受けにくい自営業者や勤務年数の浅い会社員に着目し、リスクを取って住宅ローンを貸すことで高い金利を設定することに成功」
「彼は幼稚舎から慶應出し、岡野家の御曹司なのですが、いわゆる二世経営者ではありません。人間をタテではなく、ヨコの感覚からみている。いわゆる上から目線ではなく、あくまでも対等で見ている。その証左に、女性向けローンを積極的に取り組んでいるが、女性を一段下にみる視線の持ち主には生まれない発想。
同氏の言
「岡野は、社内の幹部が違和感をもつような施策こそが世の中に広く訴えかけると考えている。将来を見通した経営をするために、多くの人が違和感を持つことを逆に率先してやる。そういった奇抜な意見は若手から出てくることが多いので、彼は若手社員と肩書抜きで話す会を今も続けていると聞きます。
・ 週刊誌記者の結論
「異形の経営の本質は、社内の意見を広く聞き、まずチャレンジして、失敗と見たら撤退するフットワークの軽さにあった。スルガ銀行は今後も独特な経営で、業界の風雲児となり続けるに違いない。
あえてコメントをしないが、記事の内容は実は、ワンマン経営のそのものの取材記事になっていることに気付いていないところが悲しい。
そこで、小生のブログにおける「スルガ銀行」関連記事を最後にすべく大論稿試み、「大研究」と銘打った。
中味は、
① 最近の記事を紹介し、最近のメディアの態度を紹介し、若干の批判を加えた上で、
② このブログでの過去の小生の意見を開陳し、当初から論稿が一貫していることを証明し、
③ その上で、スルガ銀行自体の本質を独断と偏見で抉ってみたい、
と考えた。
おそらく数回に分けての掲載となる予定であるが、是非、閲覧して頂ければ幸甚である。