スルガ銀行大研究(3)
「このスキームが昔からあったもので、目新しいスキームではない。ただ昔が今と違うのは、当時は、担保の土地の値上がりが確実な時代で、融資回収が不能になっても当該土地を売却すれば済む話だった。では現在はどうか? それは家賃保証する仲介業者の体力を“銀行がどう判断するのか”の問題に尽き、預金残高の多い少ないは「関係ない」のである。なぜなら、現在預金が多くても、担保に徴求していない限り、明日引き出されれば「それまで」で、個人の返済能力の問題には繋がらないからである。
この話は、「シェアーハウス」の体力の見誤ったか、これを梃に融資を延ばそうとする銀行の上層部の判断に他ならない。融資担当者の行員個人を責めないように!」
審査の杜撰さが表れているの次の審査基準にある。スルガ銀行の審査基準は、①融資価格は物件価格の9割が上限、②借りる人には一定の年収が必要、
の2点のようだ。まず「上限9割」がおかしい。物件価格には当然に建物価格が含まれるが、1度でも人が住んでしまうと中古になりその価格は半値以下となるのは銀行員の常識。通常は物権価格の7割以下で、かつその土地価格、建築費用の適正かどうかも検証する。それに、「9割以下」の証明のための1割分の預金残高証明を必要としたのなら、「意味がない」ことは説明済。必要なことは、物件価格の精査である。
次に「一定の年収」が問題で、この中味の詳細は分からないが、通常、年収証明と同時に、その年収が相当期間、継続するかどうかを融資判断の基準とする。仮に、1億円の融資の場合、金利2%程度で年収は約1500万円程度必要だが、これを相当期間継続して受給できる人は、そうそういない。これに目をつぶっているとしたら、本部の審査部の問題で、営業店の個々の行員の問題ではない。
マスコミは「組織ぐるみの不正」を作り上げたいようであるが、これは社長及び専務、及び1部の本部役員の問題である。」
「ブログを書いていて、あれっ、と思い、役員履歴を調べた結果、創業者の「岡野」一族が代々頭取を務めている同族の銀行であった。現在の頭取は「一族以外の初めての頭取」と言っているが、この人は元々理科系で、IBMとのシステム関係での損害賠償訴訟において「効あり」と会長に引き上げられた「若者」であり権力は全くない。
今の安倍1強のように、一族の会長は絶対者で、会長が「進め!」と言ったら、全員が「忖度」を含め、突っ走る体制になっていたと想像され、その行内の雰囲気は容易に想像がつく。
本件は、創業者一族の問題である。」
「今回の一連の不正事件の内幕は、ほぼ小生の推察通り。ただ、個々の行員もこの不正を十分に認識し、自らの利益のために逸れに乗ることを「良し」としていたのであれば、話は別。実際に、スルガ銀行行員給与は、3大メガバンクの平均給与を上回っていたそうだ。
「本件は、経済評論家なる楽天証券研究所の山崎氏の記事であるが、以下の点に異論ないし認識相違がみられることを指摘した。
・「組織と個人の利益が一致したときに暴走は止まらない」という認識は間違い。利害が一致してこそ素晴らしい企業活動ができ、それを為さしめるのが経営者の責務。
・「銀行にとって長期的には損でも個人の利益があれば、銀行員は突っ走る」と前段の筆者の論理が破綻。
・「スルガ型サブプライム問題の可能性」は、本質的に全く違い、あり得ない。
⑧ 7月6日 毎日新聞記事「スルガ銀行不正融資」を元に、新聞記者の底浅い取材姿勢を批判。
最後に、テレビメディア等で「その道の専門家」と称して、新聞記者出身者の「ジャーナリスト」が多数出演して、如何にも「知ったかぶり」のコメントを披露するが、ただ、政治家の廻り、経済界の重鎮の周りをうろついて、「媚びへつら」っていただけの人物で、「武士道」の「廉恥」を知らない鉄仮面ばかり。