スルガ銀行大研究の続き
3、関係者の法的責任・経営責任の有無
(1)岡野会長について
① 個別の不正、ローンリスクを具体的に知り、又は知りえた
証拠はない
② 本件問題発覚後の諸行動に善管注意義務違反がある。
・法的違反は認められないが、その諸要因について故岡野副社長と同等の思い経営責任がある。
(2)米山社長について
・ ①、②は同じ
・ 一定の経営責任(重いというのは酷)
(3)故岡野副社長について
・ 業務執行全般における実質的な最高意思決定者ですべての主たる責任者である。
・ ただし死んでいるので法的責任は留保するが経営責任は
重い。
(4)白井専務について
③ 善管注意義務違反。法的責任はないが、経営責任はある。
(5)望月専務について
・ ③は同じ
(6)岡崎氏(元専務取締役)について
・ 営業本部と経営陣との間で情報の断絶を作出したのは岡崎氏であり、故岡野副社長に次ぐ重い責任がある。
(7)柳沢常務について
・ 善管注意義務違反、経営責任はない。
(8)八木取締役について
・ ③と同じ
(9)有国取締役について
・ 善管注意気味違反はないが、取締役人事部長として一定
の責任がある。
・ 善管注意義務違反及び企業風土の劣化の寄与大きい。
・ 本権構図を作った張本人ではなく、責任があるとは言え
ない。
(11)社内監査役について
・ 注意義務違反
・ 個別の不正、ローンリスクを知り又は知りえた証拠は
ない。
・ 本件構図についてもそれを知りえ、かつそれを放置していたという事情がなく、法的責任はない。
<この項を要約すると、このようになった最大の張本人は、故岡野副社長(岡野会長の弟)であり、その次に責任が重いのは、既に退職している岡崎氏ということになる。岡野会長は、何も知らなかったが、経営トップとしての責任を問うのみである。死人に口なし、退職者を悪者の構図で、現役の経営陣は、善管注意義務違反はあるものの法的責任はない、ということで「お茶を濁して」いる。組織を知っている者ならば、知っていて何もしない経営陣、知っていても見ない振りをする経営陣、さらには、何も知らない(と装っている)社外取締役・監査役ほど、その組織風土を堕落させている張本人であることを知っているはずである。組織の理解のない弁護士たちの報告書の典型が、本調査報告書である。何とも情けない>