スルガ銀行大研究(6)

5、財務から見たスルガ銀行(過去5年間の比較から)
 (1)収益率の高さ
                                                    (単位億円)
 
経常収益
経常利益
同率()
当期利益
同率()
20143
20153
20163
20173
20183
 1,112
 1,213
 1,311
 1,458
 1,563
  362
  461
  534
  582
() 309
 32.6
 38.0
 40.7
 39.9
 19.8
  212
  267
  329
  428
  213
 19.1
 22.1
 25.1
29.4
 13.6)
過去5年間の増加
 
(修正経常利益)
   451
  ▲53
 (+349)
(711)
17.2
 
(45.5)
   1
(+162)
(374)
   0
 
(23.9)
      () 引当金402億円計上したためにより経常利益が大幅に減少。従って、実体の収益の伸び率に修正した。なお、当期利益修正は、402億円相当の利益金の60%を税金とした。
 
    (参考)メガバンク収益状況(最新決算)(単位;%)
 
三菱UFJ
三井住友
みずほ
経常利益率
当期利益率
24.1
16.3
20.2
12.7
22.4
18.3
 
   ① 参考のメガバンクとは規模が違うが、経常利益率、当期利益率ともにスルガ銀行の方が圧倒的に高い。さらに、メガバンクの経常収益には、海外にて稼ぐ割合が相当部分あるが、スルガ銀行は全くないことから、国内における「銀行本来」の預貸金利ザヤのみで、その収益率の高さを誇っていることに特徴がある。ある金融庁長官が「褒めた」だけのことはある内容と言える。
 
   ② スルガ銀行の貸出金の平均利ザヤは、下記のとおりである。                  
(単位;億円)
 
2014/3
2015/3
2016/3
2017/3
2018/3
貸出金
貸出金利
利ザヤ()
  27549

    897

  3.26
  28787

   1001

  3.48
30107
  1060
 3.52
32537
1210
3.72
32481
1254
3.86
 
利ザヤが堅調な三菱UFJ銀行でも2%から2.5%前後であることからも、その高さが分かる。
 
   ③ 但し、20183期に、スマートデイズの破綻により402億円の貸倒引当金を積んだことにより、収益構造が変わったように見える。本当にそうなのか? 以下で検証する。