ちょっと待った!再発防止策再考を!-スルガ銀行大研究追加(1)

 スルガ銀行金融庁から行政処分を受けた。それを受けて同行は、そのHP上に「当社に対する行政処分について」を掲載し、謝罪と今後の方針について発表した。以下、その内容を紹介するとともに、その内容を吟味する(青字が吟味)。

1、行政処分の内容  
 (1)6か月間の新規の投資不動産融資の停止、及び建物全体の50%以下の自己居住の住宅 ローンも同様。
   → 銀行の有難いところは、「休日でも金利が取れる」というストック商売であり、そこが証券会社等違う。したがって、6か月間で返済分の残高は減るかも知れないが、それほど大きな痛手ではない。

 (2)役職員の研修     

   → 御題目。

 (3)健全・適切な業務運営確保    

   ・ 厳正な判断が期待できる社外の第三者の検証と追及を含む経営責任の明確化  
      → 経営責任を明確化するための第三者とは一体何なのか? 取締役、執行役員とも、自らが知っていないことも含めて、すべてに経営責任を取るのが当り前であろう。
   ・ 法令順守、顧客保護、顧客本位、意識の向上、健全な企業文化の醸成 
      → 御題目。
   ・ 反社会的勢力に関する管理体制の構築
      → これは当たり前。ただし、言うは簡単で、かっての第一勧業銀行のように総会屋との関係を絶つために頭取の自殺騒ぎまで起こっている。拙速ではなく、時間をかけて慎重に対処する必要がある。
   ・ 信用リスク管理体制及び内部監査体制の構築
      → 創業者一族を完全に排除すれば、極めて簡単。
   ・ 創業家一族に関する管理体制の構築
      → 生え抜きの行員が、関係を断つとはいえ、どこまで一族に毅然と対処できるか疑問。
   ・ 投資用不動産融資に関して、金利引下げ、返済条件見直し等の適切な対応   
      → いわゆる「リスケ」と言われるものだが、これは基本的には金融庁に言われる筋合いのものではない。「不正があったからこれをしろ」ではなく、個々に判断して、行員が関与した不正が、被害者(?)が投資判断に重要な影響を与えたと認められるものは相談に応じる必要があるが、その他はケースバイケースと思うが、如何なものか?
   ・ 持続可能なビジネスモデル構築のための抜本的強化
      → 金融庁は何を言いたいのか? 金融庁自身が新たなビジネスモデルとして称賛していたのを忘れたようだ。

   以上の改善計画を11月末までに提出かつ、進捗状況を、3か月毎15日に報告(改善計画完了まで)