マスメディアに対する一言2

(1)同上のいわゆる「コメンテーター」に対する一言
  ・「政治評論家」なるものの職業の怪しさ
      この職業は、もともと新聞記者で政治部担当(特に番記者)のが一定
      年齢後に就く職のようだが、コメントの内容ですぐに「政権にベッリ」
      と分かるようなコメントを繰り広げる。まわりのコメンテーターに批判
      されても、このコメント内容を強引に繰り返す。政府から金を貰って
      いるのではないか、と疑うくらいべったりな発言にはうんざりする。
 
      政界の闇の中に入って情報を得るためには、政府の要職の人々と接触する
      必要があり、それに迎合していかないと2度と情報は採れないのかもしれ
      ないが、そこは「記者」本来の”真実を国民に知らしめる使命”や現政
      権に対する批判的精神がなければ、「政治評論家」なるものの職は全う
      できないと思うが如何なものか?
       安倍さんとお友達になってセクハラの罪を免れた元記者に至っては何を
       かいわんやである。
 
  ・「〇〇ジャーナリスト」とはそも何の職業で、本当に専門家なの?
        ジャーナリストとは、新聞や雑誌の編集者や記者たちの総称らしいが、
    上記の政治ジャーナリストをはじめ経済ジャーナリスト、皇室ジャーナ
    リストとテレビの露出度は極めて高くなっている。
     ただそれは、政治部、経済部、社会部の皇室担当に在籍あるいは在籍
    していただけであり、決して専門家ではない耳学問」「門前の小僧
        お経を読む」類いで、それぞれの分野に対して探求したり、思索して
        いるわけではない。
     ところが,如何にも、自分が一番この分野に関しては詳しい、と錯覚
    して滔々とコメントしているのが滑稽に見える。見たり聞いたりの、
    すべてが受け売りであることを自覚し、謙虚なコメントを期待したい。
 
(2)テレビ局アナウンサーに対する一言
  ・アナウンサーはタレントなの?
     アナウンサーのタレント化は民放においては当たり前になってきた。
    テレビに露出し、顔を売ることにより人気者になり、フリーで金を儲け
    るとか、手っ取り早く憧れのタレントになる、という道を歩むわけで、
    最終的には金持ちの嫁の座を射止め、一生、贅沢に、安楽に暮らして
    いく、というのがアナウンサーの志望理由らしい。
     テレビ局にしても、安価に、手っ取り早くタレントが育てられ、育た
    なかったら、捨てればいいわけだから、経営的にも歓迎なのだろう。
     まあ、視聴者の方も、AKBとかHKBとかと同じ目線で眺めているので、
    あえてこれを咎めようとは思わない。ただ、やはり、アナウンサーと
    しての最低限の教育、話し方はもちろん、インタビューの仕方、相手の
    反応により臨機応変に切り替える手法等々は学んで、そこに教養を感じ
    る仕草や態度が見えないものか、と昔ながらの人間は思ってしまう。
 
  ・そもそもアナウンサーとは、どんな仕事なの?
     アナウンサーの原点は、やはりNHKのアナウンサーだろう。発音、話し
    方、その間、姿勢等、徹底的に教育されるらしい。従って、没個性に
    なり、面白みはないが、それが本来のアナウンサーの姿であろう。
    歳を重ねても、どの番組を担当しても安心してみていられるのである。
     ただ7年間も産休を取り、そのまま退職したアナウンサーがいた
    が、NHKの人事管理の甘さは、受信料を払っている者にとっては、問われ
    なければならないし、それを堂々と続けていた当該アナウンサーも、
    大した度胸だと感心するばかりである。
 
(3)番組制作に対しての一言
  ・視聴率至上主義の弊害
     まず、視聴率とは、テレビのある番組が一定の地域内にどれだけの人
    または世帯で観られたかを観る割合である。この視聴率の多寡が、現在
    でもスポンサー獲得のメルクマールにもなっているため、民放各局は
    血眼になっているのも頷ける。ただ、受信料で経営しているNHKもこの
    視聴率には拘っているということなので、制作人のプライドを擽る
    ツールなのかも知れない。
     ただ、この「視聴率」には、以下の通り、問題も多い
      ★このデータの信憑性で、ビデオリサーチ社1社の独占で、かつ調査
       方法の公開を行っていないので、信憑性を検証したり、比較する
       ことができないこと。
      ★サンプル(標本)数が極めて少なく(多くて数百件)、少ない
       件数で大きな変動を起こすこと。
      ★データ回収は固定電話回線が使用されているが、携帯電話の普及
       で固定電話を持たない家庭が増えていること。
      データ誤差がほとんど考慮されないこと
      ★民放の地上波の場合、首都圏、都市部、地方で、チャンネル数、
       視聴できる番組の差が激しいこと。
     等々、まだ問題点はあるが、見る方で「視聴率とはそのようなもの」
    という認識のもとで、テレビを見ることを心がけるしか、この「視聴率
    至上主義の弊害」の除去は無理であろう。
     
・制作人のプライド
      この視聴率至上主義は、民放各局の首脳陣だけではなく、製作スタッ
  フに蔓延しているように見える。それは、視聴率を稼ぐためにはどう
  したらよいか、という観点が先行し、番組の内容は二の次になったこと
  である。
   例えば、バラエティー番組では、ハイライトシーンの直前にCMが入る
  のは当然のごとくなっているし、また視聴率を稼ぐために、スキャンダ
  ルの渦中の人物を登場させ、テレビ欄やテロップなどで視聴者を煽り、
  結局番組の最後で少し触れるだけ、ひどいのは登場させないことも
  ある。
   ここまで行くと、制作人の品性、資質を疑うし、プライドを持たない
  人が浮かぶ上がることになる。それがトップになるようなら、テレビに
  未来はないに等しくなることを、テレビ人は考えてもいないようだ。
 
・製作費の抑制
   ここでも視聴率至上主義が横行している。巨額の製作費をかけても、
  視聴率が上がらなければスポンサーが付かず赤字になる。そこでする
  ことは、比較的安いおわるお芸人を使うことで、少々高いが人気芸人を
  冠番組にすれば、そこそこ視聴率が稼げる、となるのである。タモリ
  たけし、さんまが長くバラエティーの主役を務められた所以である。
   何も考えず、笑うことができるのが、今のテレビ放送の効用だとすれ
  ば、それで何も言うことはないが、制作に携わる人たちが、仕事に対す
  るプライド、誇りを持てず、人生の大切な時期を過ごすと思うと、あま
  りにも悲し過ぎると感じる小生である。
 
(4)NHKの番組姿勢についての一言
  ・民放と変わらないスタイル
     視聴率を気にしないでよい筈のNHKが、民放に制作スタイルと変わら
    なくなっている。
     1つは、NHKにチャンネルを合わせると、民放で見慣れたお笑い芸人が
    MCを務めている風景が、放送時間に関係なく散見される。それも一定の
    お笑い芸人だけではなく、その数は相当数に上る。
     年末恒例の紅白歌合戦にも、従来に比べて大量のお笑い芸人を使って
    いたが、通常時間帯にも使いだしたのが、特に目立ってきているので
    ある。
     そのためか、折角、NHKのアナウンサーがサポートしているが、言葉
    が全くなく、いるのかいないかか分からない存在になり、NHKらしい
    特色が見えず、CMが入らない、という取り柄だけの番組に成り下がって
    いる。
     プロデューサーあたりが、あるいはトップ陣が、指示しているのか、
    安易で、安直な「視聴率稼ぎ」を狙っているのは明白で、受信料を
    払っている視聴者を馬鹿にするにも程がある。
     NHKのプライドはどこに行ったのか?嘆くばかりである
 
  ・受信料を徴収しているのに、何故視聴率を気にするの?
     じゃあ、NHKが何故視聴率を気にするのか、を考えると、視聴率に
    対する「妄信」がその根底にあるようである。
     それは、スポンサーを得たいためではなく、その番組の優秀性を評価
    するメルクマールにしている可能性がある。
     例えば、視聴率の高い番組のプロデューサーは優秀、だとか、その
    番組の担当するアナウンサーは立派だ、とか評価されているのかもしれ
    ない。
     この「視聴率に対する妄信」は、トップ及び経営陣自体が持ってる
    可能性すらある。視聴率の数字自体の曖昧さ、不正確さ、さらに、その
    番組の優秀性とは何の関係もない数字であることを、十分に認識して
    いるはずの人たちが、である。
 
     現在でも、時々、NHKらしい番組は見られる。
     特に平成最後のドキュメンタリーとして象徴天皇制の維持」に関
    して、「さすがNHK」と思わせる内容であった。特に印象的であった
    のは、125代の天皇の中で、約半分は側室の子で、過去400年間で
    は、側室の子でないのは、109代の明正天皇、124代の昭和天皇
    それに前天皇の3人だけだそうだ。
     側室という制度がない現在では、女性天皇を含めた天皇家維持の問題
    が大きい、と報じており、取材の綿密さと深堀には感心したもので、
    これなら受信料を払ってもよい、と思ったものだ。

     トップ及び経営陣は、この番組プロデューサーを評価しているだろう
    か、最近のNHKの動きから見て、心配でならない。

次回は、新聞等に対する一言を話す予定である。