NHK受信料に対する一考察

1、昨日、久方ぶりにNHKと名乗る方が訪問されました。
実は小生は、NHKとの受信契約をしていません。現在未契約世帯数は全世帯数5000万世帯の内900万世帯(約18%)と言われていますが、そのうちの1世帯です。
(ただ、母親が生きていた時は契約していたようで、玄関にNHKのラベルが貼ってありました)
  過去にも何回も、NHKに委託された地域職員なるものが訪問してきて、受信契約を強要しますが、都度、理由をつけて追い返しています。今回もそのようになりました。
その理由としては、「籾井元会長の国会発言や態度の問題」「職員の受信料の横領の問題」「非常識なアナウンサーの5年にもわたる産休及び育児休暇の問題」最近では「公共放送ともいえない番組内容(お笑いタレントの多用で何ら問間放送と異ならないこと)の問題」まで拡げています。議論好きな小生としては、訪問者からは決して逃げないで、真正面から最低1時間ほど議論をします。理由にはなっていませんね!
「君はNHKサイドの人間として、この問題をどのように考えているのか?」「もしそのように考えるのなら、そのようなテレビ局が信用できるのか?」等々の議論です。まず放送法の根拠からきちっと説明できる職員はまずいません。もしその問題を正面から出して来たら、議論する論点はいろいろあり、議論する題材には困りません。
そういえば、しばらく職員の方はお見えになっていませんでした。連続して訪問された後はしばらく来ないのが通例のようです。
ただ、これは「撃退方法」ではありませんので、念のため申し添えます。
 
2、ただ、最近の最高裁判例を「錦の御旗」としてNHK側が攻勢を強めてきそうなので、正確な知識を持っておく方が良いのは間違いがないので、いい機会なのでここで整理してみたいと考えます。
小生にとって最も注目すべき、というか、関係のある重要な判例が、平成29年12月6日付けの「受信契約締結承諾等請求事件」の最高裁判所の判決です。中身は、受信機を設置した者にはNHKとの受信契約をし、受信料を支払う義務がある、という内容です。
すなわち、受信機設置と認められれば、本人がNHKを見ていようといまいと、問答無用で契約する義務が発生するとするものです。
 
いかん!! これじゃあ議論を吹っかけて職員をおいかえすことができないじゃないか!!
 
3、ところが判決内容をよく読むと、NHKの主張の「TVを設置している人で受信契約をしていない人に対して、NHKからの契約申込をすれば契約は成立する」という主張が否定されています。すなわち、自動的には成立しないで、NHKとしては訴訟提起をもって「承諾」に代わる「判決」をもらうしか、契約を成立させることができない訳です。
これをNHKという1企業としてみると、訴訟提起と弁護士費用とを考え合わせると一般国民に対してわざわざ訴訟を起こすことは、到底採算に合わないこととなる筈です。
(またこの判決は、「不払い」は不法行為や不当利得に当たらないとしたので、弁護士費用は敗訴者(ここでは我々一般国民)の負担にならず、NHKが勝っても費用は必要なのです)
それでも訴訟を提起するとすれば、採算を度外視しても、という悪質な視聴者や、ホテルなど採算に合う訴訟に限られる、ということになると推測されます。
 
なるほどそうか!! 訪問してきた職員に「訴訟を起こす」と脅されても(現実にこの訪問職員の態度が問題になっています)、「あーそうですか」と答えておけばよいのか!!
  
4、しかし以上では、NHK受信料の根本解決にはなっていないのです。
  問題は、放送法という法律自体に内包する条文の曖昧さ(1つは「受信料とは何か」を全く定義していないことや何を使用目的として徴収するかも不明なこと)や、放送法成立時期の社会的背景と現在の違いを無視して、NHKが我武者羅に「受信料が命」とばかりに奔っていることです。
どのような法解釈を裁判所がしたとしても、ワンセグという機能がついているだけの携帯電話を所持し、テレビなど見るつもりもない人でも受信料を支払わなけれなならないことや、マンスリーマンションの入居者にも管理者が設置したテレビの受信料を支払わなければならない、こと等は、常識的に考えてもおかしいことではないでしょうか!!!
また、民間放送と全く同じような内容のバラエティ企画やお笑い芸人の多用は、受信料を払い根拠となっている「公共放送」なのだろうか、と考え込んでしまいます。
 
まともな感覚で、現代の通信・情報環境を鑑みて、早期な放送法改正なり、新放送法を定立する必要があると、考えます。(当然のことながら、というか残念なことながら、今の政治家は何も期待しませんが!!)