韓国の政治に見るデジャビュー

 日韓関係が最悪の状態になっており、収拾の目途は全く立っていない。

 それにつけても、今回の一連の騒動で気が付くことが2点ある。

 1点は、文大統領を含めた政権全体が「学生気分」のままのような気がした。大統領を始め秘書室長、国家情報院院長などはいずれも文氏の指名だが、いずれも学生運動に身を投じ、1部は投獄されていた人物である。それが問題と言っているわけではない。学生時代の社会の矛盾に対して怒りや不満を表明するのは日本でもあることだし、その経験が将来に生きることになる、と考えるが、韓国はそうはなっていない。学生当時の気分のまま政治を行っているとしか見えない。そう、東日本大震災時の「民主党政権」にその姿が似ているのかもしれない。あの当時の政治の「でたらめ」ぶりは、今思い起こしても身震いがする様相であった。それを今韓国に見るのである。

 第2点は大統領制についてである。最高裁判所の長官も検察庁のトップも大統領が指名できるようだ。アメリカのトランプ政権も同様であるが、さすがにアメリカらしく司法機関のトップまで動かしえず、所詮行政府の司法長官、あるいは同じ行政府の諜報機関のトップに限定されているようだ。しかし韓国では自由自在。これでは三権分立もあってなきがごとくで、政治体制としては問題が多い制度ではないかと疑問が沸き起こっていることである。

 「恨」の国韓国なのだが、豊臣秀吉以来の日本に対する゛恨”を声高に叫ぶのなら、古代以来占領され続けた中国に対する゛恨”はどこ行ったのか、と問いたくなる。