国会中継の功罪

 久しぶりにNHK国会中継を見た。それも本会議場でのやりとりと予算委員会でのやり取りを。

 そこで感じたことを羅列してみた。

 1、「タレント」と思い違いをしている国会議員

   与党議員の質問は、政府からの回答を期待しているのではなく、自らの質問している姿を1分1秒でも長く映してもらいたい、という態度に終始。したがって質問の中身は空虚。これは野党議員も共通で、「何時、質問にはいるのか」と思う位、長々と前段部分を披露する態度は、目立ちたい「タレント」と同じ。一世一代の晴れ舞台、と錯覚しているのだろう。

   これが、議員さんそれぞれの「票」に結びつくと持っているところがおぞましい。

 2、内容の空虚さ

   質問内容は事前に提出し、それ以外の突然の質問は「ダメ」らしいが、殆どの質問者や政府答弁者は、「原稿読み」に終始しているのが現状。特に本会議場での「やりとり」は典型的で、一回も顔を上げない議員もいるくらいに形式化している。まさしく、民主主義を演じているに他ならない。

 3、国会中継の中止

   このような「猿芝居」は、国民には直ぐ分かる。国民を馬鹿にするのもほどがあるが、NHKをはじめテレビ各局も、この質問のやり取りを「真面目に」採り上げ、また各局の「解説委員」なる種族が、まじめにその中身を論じている姿を「滑稽」そのものだ。質問書及び回答書を手に入れ、それをコメントすれば十分なように思うが、如何?

   NHKの態度も不可思議。これほど視聴率の稼がない番組は即刻中止すればいいのだが、内部事情でそうもいかないのだろう。それを取り返すように、民放と変わらないお笑い芸人を使ってバラエティーを盛んに放送しているのだろう。女房の「あれっ、この番組、CM少ないのね」の言葉が象徴的で、昔のNHKらしさが恋しくなる今日この頃である。