日本沈没ー日本の中における「閉塞感」「無力感」まちめ④

(3)経団連等の財界と労働組合
     ここまで見てくると、東レのデータ改ざん、東京電力の「福島第2原発」問題で
の対応等を併せ考えると、経済同友会、商工会議所は論外として、経済界、財界を
束ね、時の首相も顔色を如何っていた経団連も、現在では往年の輝きが全くないこ
とが判明した。
     さらに、もう一方の企業経営者と対立構造にある労働組合、さらに、今の野党を
支えている(?)と豪語する「連合」という労働組合の最大の上部団体も、労働者
の組織率2割以下で、その大半は大手製造メーカーの労働者に依存していること
から、すでに社会的役割はとっくに終わっているし、さらに進んで壊滅の危機すら
あるといえる。
(どうして連合会長は、エラそうにしてられるのか、足元に火が付いている認識
 はあるだろうに!-
 
以上のように、次々と不祥事をばら撒いている大手一流企業の小粒化(世故さ加減)にはうんざりしていたが、それを束ねる経団連も、また時には企業経営を監視する役目を
負う労働組合も、この体たらくでは、日本の閉塞感・無力感が漂っても致し方ないかもしれない、と思ってきた。
 
  いやいや、メーカーだけでは分からない、という人のために、次に小生の得意とする
金融機関で見てみることにする。
 
(4)金融業の構造不況業種化論について
    製造業界のもならず、スルガ銀行の不正融資問題に端を発し、3大メガバンク
   リストラ等、金融業界も何かと世間を騒がせている。そこで金融」という物差しで、
閉塞感・無力感を考えてみたいが、小生の現役時代の属していた業界なので、いさ
さか冗長になり、紙数が多くなる可能性があるので、前もって以下の通り、要旨を
語ることにする。
 
● 昔のある都市銀行の風景
       「古き良き時代」と言われたある都市銀行の現場の風景を語る。今の金融
機関が持ち合わせていない「何か」を見出すことができる可能性があること
から、原点に返るつもりで語ってみたい。
● そもそも銀行の機能とその現代的意義
       金融仲介機能、信用創造機能、決済機能という銀行の役割を、現代的に
見直し、本当にその役割は終わったのかを検証してみたい。
    ● 銀行の合従連衡メガバンクの現状と今後
       バブル経済崩壊後に訪れた「仁義なき組み合わせ」と思われる合併が行わ
れたために、「昔の名前」を忘れてしまったかもしれないので、もう1度過去
をお浚いし、そして現代メガバンク3行に収斂してしまったことの意義を問
い直してみたい。
● 銀行業の構造不況業種化の原因と検証
       一般的に、その原因と言われるのは、異次元の超低金利政策による利ザヤ
の極端な縮小にある、と言われるが、その他に、間接金融から直接金融への
転換による企業の資金需要の減少、さらには金融技術の急速な進展に伴う構
造変化などが揚げられている。その一つ一つを検証し、「本当にそうだろう
か?」を考えてみたい。
● 今後の銀行経営の在り方に対する私見
       以上の考証から、私見を述べるが、基本的には「原点に返れ」である。
いたずらに「収益」のみに目を奪われ、非効率なものを一切省き、人員削減
と店舗縮小に走る現在の銀行経営者に警鐘をならしたい、と考えている。